元社畜のオタ活日記

元オタクの社畜が重度のオタクに舞い戻りました。現在はフリーランス。

約10年振りの六軒島への帰還

2023年9月7日〜10日、新宿のこくみん共済coop スペース・ゼロにて開催された「うみねこのなく頃に Stage of the Golden Witch Episode.2」の初回公演(7日マチネ)と8日ソワレを観劇してきました。9日ソワレは配信で。

これを書いてる今日は千穐楽日の真っ只中、最後まで全関係者様におかれてはご無事で駆け抜けて頂けますよう心からお祈りしています。

 

舞台についての概要はこちら。アーカイブ配信は今月いっぱいあるそうなので気になる人はまじで観て下さい!!!!!!!!!

www.shingidan.com

 

前作EP1はDVDと配信でしか観てなかったんですけど映像で拝見した時の衝撃が凄くて、次に開催されるなら絶対に現地で観たいなと強く思っておりました。

実際に訪れてみた新宿の六軒島は想像を遥かに絶していて、10年以上前ひたむきにうみねこが大好きで夢中だった頃の記憶が色鮮やかに甦ってきて今も余韻が凄いので、この余韻が冷めない間に何か形に残しておきたいなと思い4年振りにこのブログにログインしました。

 

自分のための備忘録のようなものだしこういうのはあまり書き慣れていないので、お見苦しい拙い文章にはなると思いますがそれでも構わない方はこの熱にどうかお付き合い下さい。

 

⚠️注意事項⚠️

筆者はうみねこのなく頃に「羽」「咲」以外全て履修しており、EP8まで、引いてはEP8コミカライズ版までの真相を知った上での感想になるのでEP3以降のネタバレも含みます。

 

 

うみねこと私

この辺は舞台にはあまり関係のない自分語りなので読み飛ばして頂いて差し支えないのですが、「うみねこのなく頃に」という作品は私のオタク人生の中でも本当に大きな比重を占める作品でもありました。

前作「ひぐらしのなく頃に」のアニメ辺りからひぐらしにハマり、その後頒布が始まったうみねこひぐらし新参の自分でも前情報なく新鮮に味わえると思い、現地に毎回行く余裕はなかったため九州の片田舎で県内唯一のメロンブックスに駆け込んでは新作を入手し、公式掲示板で他の方の感想を読み漁ったり、お絵描き掲示板にイラストを書いたり、当時うみねこのことばかり考えてオタク生活を満喫しておりました。

ちょうどその頃にTwitterが徐々に波及し始めていて、公式掲示板でよく見掛ける方をフォローして日々盛んに交流し、新作のここが良かった、あのシーン良かったとSkype(時代を感じる笑)でほぼ毎日のように語り合い、うみねこWikiを読み漁って考察し、同人イベントに参加したり開催(※)したりととにかくうみねこ一辺倒な日々でした。

 

※小規模ながら九州で07thオンリーイベントを主催させて頂いたこともありました。まだ新卒なりたての頃で色々と未熟で初めてのイベント主催でしたが、公式様からのご支援(ROSE GUNS DAYSの先行体験版を当イベントで頒布してくださったりなど)もあり、本当にいいイベントとなりました。今回のパンフレットサイン会でそのことを竜騎士先生にお伝えして、福岡への旅行の思い出話などをお伺いすることができて本当に嬉しかったです…!

 

それくらい大好きだったうみねこですが、EP8が終わり、アニメが終わり、CS版が発売され、コミックスでの連載が終わり…と徐々にうみねこは「完結してしまった作品」となり、目新しい情報が少なくなって来ると、自然とうみねこからは離れて行ってしまいました。自分の中で「過去に大好きだった作品」の一つになっていくのは、仕方のないことではありますが、当時ほどの熱量を持って応援することは次第になくなっていきました。

 

真相を知った上で見る「舞台版の」EP2

長々と逸れてしまいましたが、ここからが舞台のすごい所の話で、恐らく10年近くコンテンツから離れてしまった令和の今、新鮮な気持ちで新たな考察をさせてくれる「舞台版うみねこ」という新しいコンテンツにあっという間に当時の気持ちへと引き戻させてくれました。

ディープなうみねこファンの方の多くがコミカライズ版を読んで真相を深くまで知った方々だと思うのですが、その真相を知った上で見るEP2が面白い…というだけの話ではなく、その真相を知った上で見る「舞台版の」EP2がとても面白かったのです。

 

原作やアニメ、CS、コミカライズでは、例えばEP2第一の晩の殺人の描写が非常にグロく、「腹部を切り裂かれてお菓子を詰め込まれる」という残忍な事件でしたが、舞台版ではその辺りの描写がかなり薄いものでした。

2日とも2列目で参戦し、6人の死体も割とよく見える位置での観劇だったのですが、(言葉を選ばずに言うと)腹部からぶち撒けられた臓物はEP1での耕された顔に比べて比較的チープに見える物で。舞台についてはあまり詳しくはないのですが、「もっと生々しくリアルに出来たのでは?」とか「腸の間にもっとお菓子詰めたりも出来るんじゃ」と思わせられたシーンでした。

 

ですが、今はその所感すらも意図されたものだったのかなと思わされています。

以下、脚本・演出の伊藤マサミさんのポストです。

このポストの真意について自分なりに考えてみたのですが、「黄金に買収された親族・使用人達による口裏合わせ」だったシーンは、敢えてリアルに描写、演出しなかったのではないかという結論に至りました。考察得意じゃないので見当違いだったら恥ずかしいですが(笑)

 

似たような意図を感じたシーンは他にもあって、制服ベアトが真里亞のボロボロのお菓子を修復する魔法のシーン。

配信で正面から見ると照明で隠れていて全く見えないのですが、舞台の側から見るとベアトが後ろを振り返りお菓子をすり替えているシーンが割とはっきりと見えます。

ただの手品を見せるのであれば、例えば服の袖やポケットに忍ばせてもっと上手にすり替えることも出来たはずだと思うんですよね。それを敢えて、近くから見た人には堂々と後ろを向いて幕の後ろから差し出されたお菓子とすり替えている。

 

これはちょっと拡大解釈な気もしますが、そのようにしたのは「(舞台にまで足を運ぶほどの)愛がなければ視えない」魔法にするという演出意図があったのかな、とこっそり思っています。他にももっとそういうシーンが散りばめられているんだろうなと、観劇後の今ですらすでに何度も見返したくてたまらないので、円盤化を楽しみにしつつアーカイブを見返したいと思います。とは言え、やっぱり映像だと気付けないことがたくさんあるんだろうな…

 

他の方のポストでもちらほら拝見したのですが、誤魔化しの効かない「舞台」の上で、新たに「うみねこ」のゲーム盤で起こった事件を生身の人間が演じて「再構築」するということの意味や意義を、伊藤さんはとても大事にされていらっしゃるのかなと勝手ながらに思い、そのうみねこ愛の深さに酷く感動致しました。

 

蛇足

⚠️ここはアニメに関するちょっと後ろ向きな意見があるので読まなくても大丈夫です⚠️

 

アニメが放送された当時は確かまだうみねこ散も完結してなかった時期で真相もわからない、それぞれのキャラにある思惑の深いところまでは至れない状態だったのである意味仕方なくはあるんだけど、某監督のメイド!幼女!熟女!おっぱい!みたいなノリは今でもくっそしょうもね〜〜〜〜〜〜と思ってるんですが、舞台版は作品への解釈や物語へ向き合う姿勢、愛の深さで演出の一つ一つやシナリオの取捨選択、メリハリがとにかくファンに対して真摯で本当に感動させられます。舞台版はとにかく「このシーンには絶対力を入れたい」という熱意で作られていているようにお見受けしました。アニメもいつかもし続編を作るなら、そういう作品への理解や愛がある方に指揮を取っていただけることを切に願います…頼むよまじで…

 

キャスト様の熱演と、リスペクトに溢れた演出の数々

本筋に戻ると、全キャスト様が本当に本当に全力でうみねこのキャラ達を演じて下さってて3時間ずっと胸を打たれっぱなしでした。長く難しい台詞が本当に多いのにそれらを覚えて、キャラとしての立ち居振る舞いをして、演技をする3時間は、並大抵のお稽古では身に付かないと思います。

舞台役者の方が「役を生きる」「駆け抜けていく」という表現をよくされていますが、本当に全力疾走で駆け抜けて下さってるなとしみじみ思いました。

 

前半は紗音と嘉音のシーンが丁寧に描かれていて、特に紗音ちゃんの悲痛な芝居にはとにかく胸を打たれ、切に叫ぶシーンではこちらまで涙してしまいました。冒頭からぐっちゃぐちゃです(笑)

EP1の頃からきっと言われていることなのだろうとは思いますが、紗音・嘉音の役をリアル双子の俳優さんが演じていらっしゃるというキャスティングにも感動します。どちらも女性で背丈も顔付きもそっくりなお二方が演じると言う意味を思うと、全キャラもちろんそうなんですけど本当に作品のことを深く考えて演じる方を選んで下さったんだなと。

 

EP2の名物シーンである「全裸+鎖の戦人」のシーンや「楼座無双」のシーンはもう言うまでもなく最高だったのですが、個人的に印象的だったシーンは制服ベアトが嘉音を跪かせて足先にキスをさせるシーン。帽子を脱いでゆっくりと地面に伏せるシーンもさることながら、キスをさせた嘉音に高笑いするベアトの姿勢はかなりコミカライズ版リスペクトを感じました。EP2の2巻の一番最後のシーンですね。上半身を少し反って、片足を少し爪先立ちされているベアトと、帽子を脱いで跪く嘉音のシルエットが、2巻ラストの大コマとかなり近くてはちゃめちゃに感動しました。

 

演出面で言えば、舞台照明もとても印象に残っています。

 

どう演じられるんだろう?と思っていた現実とメタシーンとの切り替わり。ベアトがパチンと指を鳴らして戦人がくるっとターンするとそこはもうメタ世界。盤上に置かれた駒達はみんな、ゆらゆらと揺れていてベアトリーチェ達の攻防には関われない。(まじでどうでもいいんですけど皆様の体幹すごくない?あれ真似したら体のバランス崩しそうになるんだけど私)

メタ世界での攻防時には、「赤」と「青」の照明がばちっと決まっていて、EP2ではまだ青の文字の概念はないけれど、ベアトリーチェには赤いスポットライト、戦人には青いスポットライトが当たっているのが視覚的にとても良かったです。それと、割と終盤の方で戦人がベアトに押されている局面、舞台全体が真っ赤な照明に染まる中でぽつんと弱々しい青いライトが戦人を照らしているのも、しっかりと戦況を表現していました。

 

あ、後は赤い文字の演出!左右の壁にプロジェクターで映される所はなるほど、くらいのものだったんですけど、途中で黒服の方が長い布を持ってそこに文字を映し出すシーン。ずれたら大変だろうな〜とか最初は思ってたんですけど、その布は最終的にベアトに追い詰められた戦人の枷となり、体を雁字搦めに捉えてしまう。そのためのものだと気付いた時には鳥肌が止まりませんでした。

そしてこうすることで、先の話ではあるんですが、EP3のエヴァによる赤字ラッシュの演出も想起させられていよいよ今後の展開も楽しみになりましたね。

 

うみねこ離れ」した人にこそ生で観て欲しい

だいぶ長くなってしまったのでそろそろ締めに向かいますけど、原作ゲームが頒布されていた4年間リアルタイムで新作をプレイしていた頃のワクワクを新しい形で思い出させてくれる、とにかく愛に溢れている舞台化でした。見知った物語なのに、真相を経てきた上での「演出意図に対する考察」や「演者さんによるお芝居の意図」を深読みできる最高の経験になりました。

勿論、舞台でうみねこ初見の方にも楽しめる親切さはありつつも、頒布当時にうみねこに夢中になっていた方々にこそ観て欲しい舞台だなと思います。

 

EP3楽しみ〜〜〜〜〜〜〜!!!

めっちゃ真面目に長々と綴ってしまったんですけど、EP3まじで楽しみ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!まさか初回公演でこんなサプライズ発表あるとは思わないじゃん!!!!!!!!!!

EP3には私が大好きなシエスタ410ちゃんが初登場するので、舞台ではどうなるのかが今からとても楽しみです。絶対絶対現地に観に行きます。

 

それで思い出したけど今回、七杭の子達は何の前情報もなかったので、アスモちゃんとサタンちゃんだけでも出してくれたのめちゃくちゃ嬉しいサプライズでした!!!!!まだまだ語り足りね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なんか綴りたくなったらまた書きます、もう5000文字超えてんのうける